分断の国で

生きることは贖罪である。最悪なニュースが暴れ回るなか、あたたかな部屋で編み物をし眠りにつく。私ばかり平穏に暮らしてごめんなさいと泣く声がする。すでにじゅうぶん背負っているのに。生きることは贖罪だがあがなえる罪は限られている。泣いてもいいけど足場を崩さないようにねと小さな影に言い聞かせている。